2011年度(平成23)
会期:2012年(平成24) 1月17日~4月8日
平成24年1月17日から、4月8日まで、特別展「万徳旅館にみる暮らしの100年」を開催しました。2011年(平成23)9月から江戸東京たてもの園では、約10年ぶりに新しい建物を公開し、これを記念として、関連した展覧会を企画いたしました。
青梅市にあった万徳旅館は、江戸時代末期から明治初期に建てられました。青梅において長く旅館として営業し、平成になってから営業をやめるまで100年以上続いた歴史ある旅館です。この万徳旅館からは、建物だけでなく、さまざまな生活民俗資料も、一緒にご寄贈を受けました。万徳旅館は、地元である青梅市の歴史を語る上でも欠かせないものであったため、古文書類をはじめとする一部の資料は、青梅市郷土博物館に寄贈されました。そして、旅館の営業のようすに関する資料については、江戸東京博物館に寄贈されました。
この展覧会をきっかけに2か所に分かれた資料を、ひとつの展示室の中に展示することができ、寄贈者の浜中家のみなさまも喜んでくださったのではないかと思います。
万徳旅館は、建物に少しずつ手を加えながら、平成まで長く営業をされた旅館です。電気も水道もない時代に建てられ、後から電気が引かれ、水道がやってきて、電話やガスなど、暮らしが変わっていきました。古い建物の中での現代的な生活を経て、解体に至りました。この展覧会を通して古い建物に住み続けるための工夫などについて、考える機会になればと思います。
会期:2011年(平成23) 10月1日~11月27日
会期:2011年(平成23) 4月23日~7月10日
今回の展覧会では、表・奥という構造に注目し、当主の居場所に焦点を当てて、屋敷図面を紹介しました。取り上げたのは、将軍の住まいである江戸城本丸御殿、大名の江戸藩邸、旗本屋敷、下級幕臣である町奉行所与力の八丁堀の住まいなど、江戸の武家屋敷です。
2007年江戸東京博物館では「江戸城」展を行い、江戸城の図面を数多く展示しました。また特定の大名屋敷や国元の武家屋敷を取り上げた展示は各所で行われています。しかし、このように一定の見方で屋敷図を通観するという展示はいままでにあまり例がないといえます。歴史学と建築学双方の視点からアプローチしたもので、屋敷の規模が小さくなると、当主の居住場所は内包され、表と奥の境も明確でなくなる様子を図面から読みとっていただけました。
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