2004年度(平成16)
会期:2004年(平成16) 12月7日~2005年(平成17)6月26日
土管の置かれたはらっぱ(空き地)は、子どもたちの遊び場で、時には心安らぐ居場所でした。一見したところ持ち主や目的が分からないはらっぱの「あいまい」さは、子どもたちの想像力と冒険心をかきたてました。長期間にわたり描かれたマンガ『ドラえもん』からは、時代とともに移り変わる子どもたちの遊びやはらっぱの様子をうかがい知ることができます。
本展では、マンガのなかからはらっぱの場面を抜き出して、はらっぱの移り変わりとその世界を紹介しました。展示室には、のび太の住む街の地図をはじめ、野比家の間取りも再現され、連日たくさんの家族連れで賑わいました。
会期:2004年(平成16) 9月14日~11月28日
本展では、自然の美しさを詩情あふれる文体で表した国木田独歩、「美的百姓」の生活を実践した徳富蘆花、都会人の心を潤す場として郊外を紹介した田山花袋、近郊の新開地に住んだ井伏鱒二や太宰治、復員兵の視線で土地をみつめた大岡昇平など、武蔵野ゆかりの作家や作品を紹介しました。都市に近接する場所として、多くの文学作品の舞台となった武蔵野の自然と生活。
本展では、東京の発展にともない変化を遂げる武蔵野の姿を通して、今日の都市と自然の共生についても考察しました。また会場を展示室から屋外にまで広げ、園内の屋外展示物や建造物を文学との関係から紹介して、たてもの園の新しい楽しみ方も提案しました。
会期:2004年(平成16) 7月21日~9月5日
漫画「ゲゲゲの鬼太郎」などで広く知られる水木しげるさん。50年以上の画業の中で数多くの作品を生み出してきました。最近の作品である「妖怪道五十三次」は、歌川広重の「東海道五十三次」を妖怪たちが旅をしたらどんな旅になっただろうかという遊び心から制作されました。お江戸日本橋を出発し、東海道の宿場にひょっこりあらわれる日本全国の妖怪たちが宿場の人びとを驚かせたり、ふざけたりしながら旅をしている様子が描かれています。
本展では原画を中心に、関連資料を展示しました。
会期:2004年(平成16) 6月15日~7月14日
江戸東京博物館にて開催された企画展「発掘された日本列島2004」(6月1日から7月7日)と連動して、江戸東京たてもの園では「中世」をテーマに、多摩を中心とした最近の発掘成果の紹介と、旧武蔵野郷土館資料を展示しました。
土器や石器など、発掘されたモノはほとんどが期せずしてそこに埋まってしまったものですが、中には過去の人びとが、わざわざそこに埋めたものもあります。こうした「埋められたもの」と「埋めるという行為」はいつの時代にも見られますが、今回、特にこれが特徴的に認められる中世を取り上げ、大量出土銭・板碑・地下式坑の3つの「埋められたモノたち」を中心に、「埋めるという行為」のもつ意味をも視野に入れた展覧会を開催しました。あわせて、八王子城跡から発見された貴重な考古資料も展示しました。
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