過去の展示一覧

2014年度(平成26)

下布田遺跡 ー武蔵野の歴史と考古学ー

■「下布田遺跡 ー武蔵野の歴史と考古学ー」

会期:2015年(平成27) 3月28日~5月17日

江戸東京たてもの園が武蔵野郷土館から引き継いだ考古資料のうち調布市下布田遺跡の出土資料に焦点をあて、同館が1968年(昭和43)と1971年(昭和46)に行った発掘調査の様子やその成果も明らかにしました。あわせて、武蔵野郷土館の歴史についても紹介しました。展示構成と内容は以下のとおりです。

【プロローグ】武蔵野郷土館前史

 武蔵野郷土館旧蔵資料の中には、1934年(昭和9)、有栖川公園内に設置された「東京郷土資料陳列館」から引き継いだ資料もあります。この博物館がどのような施設だったか紹介しました。また、この施設の展示を支える存在として、1916年(大正5)に結成された郷土史グループ「武蔵野会」についても結成のきっかけ、活動の様子などを紹介しました。このほか、同館から引き継いでいる縄文土器や石器、江戸時代の焼塩壺、常盤橋擬宝珠なども展示しました。

【第一章】武蔵野郷土館の活動と考古学

 1948年(昭和23)、活動を休止していた武蔵野会を引き継ぐ武蔵野文化協会が結成され、井の頭公園自然文化園内に設置された「武蔵野博物館」の経営にあたりました。同館は1954年(昭和29)、小金井公園に移転し、都営の「武蔵野郷土館」となりました。両館では縄文時代の遺跡を中心に精力的な発掘調査が行われ、その成果がいち早く展示されました。両館の概要、発掘調査の軌跡などを紹介しました。縄文時代の丸木舟も、武蔵野博物館発足と縁があるため、展示しました。

【第二章】下布田遺跡

 1968年、1971年の二次にわたって、武蔵野郷土館が行った発掘調査について紹介し、当園が所蔵する下布田遺跡出土資料を展示しました。重要文化財に指定されている土製耳飾をはじめ、土器、土製品はほぼすべて、石器は代表的な資料を選んで展示しました。登録資料すべての写真を掲載した展示図録も作成し、調布市郷土博物館など執筆者のご協力により、解説パネルも展示しました。ギャラリーでは「その後の下布田遺跡」と題して、国の史跡となった経緯や注目される遺構などを紹介しました。

また、ロビーでは、閉館直前の様子を克明に記録し、紹介した映像「武蔵野郷土館」も展示映像として放映しました。
2月13日、本館ホールでたてもの園セミナー「武蔵野郷土館における発掘調査とその成果 下布田遺跡を中心に」を開催し、図録への執筆をお願いした川崎義雄氏、小池聡氏、赤城高志氏にご発表いただきました。

江戸東京たてもの園開園20年を一区切りとして、開園以来行ってきた、考古資料中心の編年展示を見直し、各遺跡の出土資料と当時の発掘調査に焦点を当てる展示の第一弾として、本展を行いました。展示図録作成にあたっては多くの方にご協力をいただきました。武蔵野郷土館の活動や前史については、2012年、2013年に行った講演会の成果がベースとなっています(2015年3月発行の『江戸東京博物館紀要第5号』に「小特集 武蔵野郷土館の活動と考古学」として講演録を掲載)。

ジブリの立体建造物展

■「ジブリの立体建造物展」

会期:2014年(平成26) 7月10日~平成27年3月15日

本展は、スタジオジブリ作品に登場する様々な建物にスポットを当て、映画に登場する建物の模型や、映画に登場する建物の設定資料、背景画といった美術資料を展示しました。会期中は39万人ものお客様にご来園いただきました。

スタジオジブリ企画の展覧会は、平成14年度~平成15年度に行われた「江戸東京たてもの園と千と千尋の神隠し」展以来となりました。