過去の展示一覧

2012年

■「武蔵野の歴史と考古学 ―江戸東京たてもの園収蔵品展―」
会期:平成24年7月28日〜12月24日

武蔵野郷土館から引き継いだ資料のうち、考古資料により、旧石器時代から近代までの武蔵野のあゆみを紹介しました。開園20周年を記念し、トピックスとして東京都埋蔵文化財センターが所蔵する縄文時代中期の土器も紹介しました。展示構成と内容は以下のとおりです。


(1)旧石器時代〜3万年前のくらし〜
茂呂遺跡のローム層標本(出土黒曜石入り)などを紹介。1951年(昭和26)、武蔵野郷土館の前身である武蔵野博物館は明治大学考古学研究部と共同で南関東初となる旧石器遺跡の発掘調査を行いました。


(2)縄文時代〜採集・狩猟・漁撈の時代〜
考古資料による展示の大半を占めるコーナー。橋立岩陰遺跡の草創期土器片、中期・後期の華やかな土器各種、重要文化財の土製耳飾(下布田遺跡)、広畑貝塚の骨角器や埋葬人骨、丸木舟などバラエティに富んだ資料を展示しました。あわせて、武蔵野郷土館の「古代の村」に復元展示していた竪穴住居の縮小模型を展示しました。


(3)弥生時代〜米づくりが始まったころ〜
弥生式土器、石包丁などを展示しました。方形周溝墓の写真パネルも展示しました。あわせて、「古代の村」にあった高倉の縮小模型を展示しました。


(4)古墳がつくられたころ
観音塚古墳の太刀型埴輪、須恵器などを展示しました。


(5)国づくりのころ
武蔵国分寺等の古瓦、深大寺釈迦如来倚像(複製)などを展示しました。


(6)中世の武蔵野〜在地領主の時代〜
板碑、片口蓋付骨壺、かわらけ、馬の頭骨、八王子城関係資料(水差し、擂鉢、鉄砲玉、茶器他)などを展示しました。


(7)近世の武蔵野
多摩の農兵関係資料(鎖帷子、火縄銃他)、玉川上水の関係資料(上水の水質を守るため、禁止事項をうたった高札、江戸時代の上水関係文書他)、明治初期の高札、上野戦争時の大砲砲弾などを展示しました。


(8)ギャラリー展示 「縄文中期の用と美」
東京都埋蔵文化財センター所蔵の縄文時代中期の美しく華やかなデザインの土器を借用し、展示しました。


このほか、武蔵野郷土館や前身の武蔵野博物館を紹介するパネルも展示しました。展示映像は、東京都埋蔵文化財センター制作の「縄文のくらし」と東京都制作の、閉館直前の様子を克明に記録し、紹介した映像「武蔵野郷土館」(初公開)の放映も行いました。


11月10日には、関連事業として講演会「武蔵野郷土館と考古学」を行いました。元武蔵野郷土館調査員の加藤功氏、土井悦枝氏、学生時代から武蔵野郷土館の発掘調査に関わっておられた坂詰秀一氏より、武蔵野郷土館時代やその前身、武蔵野博物館についてさまざまなお話を伺いました。


東京都埋蔵文化財センターとの連携事業を初めて行い、展示解説も数次にわたり担当していただきました。考古学の最新の研究成果により、わかりやすく解説していただき、お客様にも好評をいただきました。講演会に開催には武蔵野文化協会のご協力をいただきました。


■「小麦と武蔵野のくらし〜人が集まればうどん〜」
会期:平成24年4月21日〜7月8日

武蔵野の代表的な作物であるコムギと人々のかかわりを、当園の収蔵資料と周辺自治体や個人から借用した資料、写真、記録映像によって紹介したもので、昭和30年代の生活を中心とした展示を行いました。展示構成と内容は次のとおりです。


【第1章】北多摩の農業と小麦

コムギ栽培と農家の環境(敷地・建造物・屋敷林)、コムギとイネ(陸稲)とサツマイモ栽培の関係、さつま床(サツマイモの温床)について。

【第2章】小麦とくらし

屋根葺き材・燃料・農業資材・飼料として使われたコムギ、柳久保小麦について、盆行事等で作られた小麦藁のタイマツについて。

【第3章】人が集まればうどん

昭和初期の北多摩の食、コムギの製粉、うどん打ち、盆行事とコムギの行事食、冠婚葬祭のご馳走であったうどん、榛名講とうどんについて。

【エピローグ】貯穀−食糧不足と麦・雑穀−

貯穀(飢饉のため穀物を貯める貯穀制度)について、穀櫃、郷蔵などの備蓄設備について、戦争中にコメ不足対策にムギや雑穀等の郷土食研究が行われたことについて。


栽培のお話をうかがったり、コムギの麦藁を使ったタイマツを復元展示、 うどんやゆでまんじゅうを作っていただきサンプル加工して展示をしたり と、近隣の市民の皆様の大きなご協力のもと開催できた展覧会でした。


■「万徳旅館にみる暮らしの100年」
会期:平成24年1月17日〜4月8日

平成24年1月17日から、4月8日まで、特別展「万徳旅館にみる暮らしの100年」を開催しました。2011年(平成23)9月から江戸東京たてもの園では、約10年ぶりに新しい建物を公開し、これを記念として、関連した展覧会を企画いたしました。

青梅市にあった万徳旅館は、江戸時代末期から明治初期に建てられました。青梅において長く旅館として営業し、平成になってから営業をやめるまで100年以上続いた歴史ある旅館です。この万徳旅館からは、建物だけでなく、さまざまな生活民俗資料も、一緒にご寄贈を受けました。万徳旅館は、地元である青梅市の歴史を語る上でも欠かせないものであったため、古文書類をはじめとする一部の資料は、青梅市郷土博物館に寄贈されました。そして、旅館の営業のようすに関する資料については、江戸東京博物館に寄贈されました。

この展覧会をきっかけに2か所に分かれた資料を、ひとつの展示室の中に展示することができ、寄贈者の浜中家のみなさまも喜んでくださったのではないかと思います。

万徳旅館は、建物に少しずつ手を加えながら、平成まで長く営業をされた旅館です。電気も水道もない時代に建てられ、後から電気が引かれ、水道がやってきて、電話やガスなど、暮らしが変わっていきました。古い建物の中での現代的な生活を経て、解体に至りました。この展覧会を通して古い建物に住み続けるための工夫などについて、考える機会になればと思います。


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